湯浅啓史 2018年2月23日 会派代表質問より「市長施政方針における用語の定義について」 部分(議事録より)
2017年度の3月議会において、市議会議員 湯浅啓史を所属する会派「政雲クラブ」を代表して、市長市政方針に対する会派代表質問を行いました。(2018年2月23日)
代表質問ですので、多くの事柄について質問していますが、その内「まちづくり」という言葉の使用について触れた部分がありますので、抜粋して掲載します。
湯浅啓史
市長施政方針における用語の定義についてお伺いをしたいと思います。
これは、「まちづくり」とは、どのように定義されて使用されているのかを伺うものです。
市において使用されているまちづくりという言葉は、私が議員になった5年前から常に違和感を持ってきておりました。なぜならば、まちづくりという言葉がそれぞれに抱くイメージがあまりにも違い過ぎ、話し合いや議論がかみ合っていかないからです。
例えば、出雲市には都市建設部内にまちづくり推進課がありますが、この課が主に担当しているのは、街路整備事業になるはずです。
一方、民間地域でまちづくりという言葉を使用する際は、地域を活性化するために自治会や町内会、その他への参加意識を高め、住民同士の結び付きを強固にするために活動することを指すことが多いと思います。
出雲市では、ほかにまちづくり基本条例が制定をされていますが、この中でも明確な定義はございません。さらに、出雲市の最上位計画であります出雲市総合振興計画「出雲未来図」においては、まちづくりの将来像を「げんき、やさしさ、しあわせあふれる縁結びのまち 出雲」とされておりますが、ここにもやはりまちづくりという言葉の統一された定義はなく、それぞれの分野で異なった意味での使用がされているのが実態です。
今回受け取りました市長施政方針においても、まちづくりという言葉の使用が10か所に及び、定義のないまま多くの分野で使用され、意味が不明瞭になっていると感じています。
言葉に明確な定義がない限り、受け取る側によって異なった意味を持つおそれがあるため、市の方針を示す施政方針にはそぐわないと考えています。改めてまちづくりという言葉をどのように定義するのか、お伺いします。
長岡市長
施政方針の中の用語の定義、「まちづくり」という用語のことについてのお尋ねでございますが、ご案内のように、まちづくりとは、ハード面・ソフト面にわたり、地域を住みよい魅力あるものにしていく様々な活動を指しております。
この活動内容には、市民が暮らすために必要な様々な分野を含んでおり、道路や施設等の整備から、地元企業の振興や観光資源等の開発、市街地活性化や地域交流の推進、高齢者福祉の充実や子育て支援といったものまで広範、多岐にわたっております。
この施政方針では、市民との協働を前提としつつ、総合的な視野を持って施策を進める必要があるものを総称してまちづくりと称しているところであります。
なお、本市の条例の名称にも「まちづくり」は使用されておりますが、出雲市まちづくり基本条例をはじめとする10条例ありますが、いずれも同様の意味合いで使っているものでございます。
湯浅啓史
言葉遊びをしているわけではありませんが、やはりどうもこのまちづくりという言葉が使われると、どうも腑に落ちないといいますか、何のことを言っておられるのかが分からないというのが実感です。
皆さんもまちづくりと言われたときに、本当にいろんなイメージを持たれると思うので、そのイメージ同士がぶつかって議論をしても、明確な答えというのが出ない。そのように思っています。我々は、議会で議論をするためにこの場に立っておりまして、できれば、行政のほうから出されるものについては、もう名称としてあるものは仕方ないんですけれども、できるだけまちづくりという言葉の使用を控えて、具体的な内容を示すほかの言葉に置き替えて記述あるいは説明をしていただきたいと思っています。
言う側は便利だと思います。どうにもでもとれる言葉なので、言うほうは何々のまちづくりと言ってしまうと、何かやられるんだろうなという感じはするんですけども、受け取る側は本当に具体的にそれぞれ全く違う意味で受け取ってしまって、それこそ成果が上がらないということでは、元も子もないということになりますので、ぜひこれはお願いとして、まちづくりという言葉の使い方には注意していただきたいなと。
ちなみに、広辞苑を引きましたら、1番目に、まちの家並みという意味が出てまいりまして、2番目に、行政が行う総合的な市街地の整理・開発、住民が主体となって行うものをいうという意味が出ておりました。これは、最新版の第7版にようやく出ておりまして、我が家にありました1991年の第4版には、まちづくりという項目、そのものがございません。ということは、ここ近年で急速にそういった言葉が使われ出したということで、現在では収録されているということは、ある程度定着をしたということではあろうかと思いますが、まだまだ、じゃあ、まちづくりというと、こうだというイメージを全員が同じものを持てる言葉ではないということを肝に銘じておきながら、使うなら使っていただきたい、そのように思っております。