出雲版「まち・ひと・しごと創生総合戦略」策定に向けた 地方創生スタートアップセミナーが以下の通り開催されましたので、参加してきました。
- とき
- 平成27年5月15日(金)15:00~17:00
- ところ
- 出雲市役所3F大会議室
- 講師
- 中村良平 氏
岡山大学大学院・経済学部教授 - 内容
- ・市長挨拶
・出雲版総合戦略のイメージ説明(縁結び定住課)
・講演「地域経済の見かたと出雲版総合戦略」
中村良平 岡山大学教授
・質疑応答
「地方創生スタートアップセミナー」の内容
「出雲市版総合戦略のイメージ」
出雲市版総合戦略のイメージは、縁結び定住課から簡単に説明がありました。主に人口動向についての説明となり、要点は以下
人口分析
- 出雲市の人口は2003年をさかいに自然減となっており、2000年の173,776人がピークに減少傾向
- 2010年以降は、わずかではあるが社会増の傾向(近隣自治体からの転入増と市内企業に勤める日系ブラジル人の転入増)
大田圏域、松江圏域、雲南圏域からの転入者が増加傾向
目標
- 2020年人口は、以下の推計を超えるよう設定
(社人研推計 約163,000人 日本創世会議推計 約162,000人) - 2060年人口は、社人研推計 約111,800人を超えるよう設定
総合戦略の基本目標
- 出雲の特性を活かした魅力ある雇用の場を創出
- 出雲との縁をつなぎ、ひとの流れをつくる
- 出雲で縁を結び、子育てしていく希望をかなえる
- 住みやすさNo.1のまちづくりを行うとともに、住民による主体的な地域づくりを進める
- 広域連携による魅力ある圏域をめざす
上の基本目標を達成するための【主な重用評価指数】【主な施策】は、現在策定中
講演「地域経済の見方と出雲市版総合戦略」
講師:中村良平 氏 岡山大学大学院・経済学部教授
総合戦略で(市町村に)求められること
国の総合戦略
- 地方における安定した雇用の創出
- 地方への新しいひとの流れをつくる
- 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
- 時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する
地方の戦略
- 地方は、これらに向けて具体的な施策の基本方針を打ち出す
- 5年間の内に具体的に実施する施策を検討し盛り込む
- 数値目標、成果目標、効果の計測
- 施策についてはKPI(重要達成度指数)を設定する
市町村の役割
- 地域の特性や地域資源を活かした住民に身近な施策
- 市町村間連携
人口施策の展開に向けて
- 地域振興における全ての施策を、「人口増加あるいは人口維持に絡めていくこと」が必要
人口維持という大枠の中で、様々な地域振興が練られ、その評価がなされ、人口に反映するという筋立て - 人口移動を人の誘致と考える
- まちに仕事を創り出せば、転入が増え転出が減る
地域経済の構造の識別と相互の関係
自立した地域経済になるためには
- 地域資源を有効活用することで域内に資金を呼び込む力を具現化し、域内で資金を循環させる
- 域内の資金の流出を防ぐ力をつけるために、地域経済に弾力性をもたらす経済構造とする
雑感
このセミナーで強調されたのは、”人口移動を人の誘致”と捉え様々な施策に反映させる考え方だ。また、地域経済の構造を識別することの重要性!そこからしか地方創生への端緒はたどれないという事。
しかしながら、現在進行中の総合戦略策定にむけて、産業連関表の作成など、地域経済の把握が間に合わないのではないかという懸念がある。出雲市では9月を目途に人口ビジョンと総合戦略を策定するとしているが、そこまでに間に合うのだろうか?
総合戦略が「出来合いの丼物でいっちょあがり!」となってしまわないか心配するのは私だけではないだろう。