平成25年7月11日、市議会の総務常任委員会と原子力発電・新エネルギー調査特別委員会の合同で原子力防災対策についての視察を行いました。
- 視察名
- 「原子力防災対策について」
- 視察期間
- 平成25年(2013)7月11日
- 視察先及び調査事項
- 島根県原子力防災センター(松江市)
・施設概要について
中国電力島根原子力発電所(同)
・施設概要、シミュレータ、3号機、防波壁、緊急用発電機、免震重要棟工事状況視察について
【島根県原子力防災センター(松江市)】施設概要について
原子力防災センターは、県庁と隣接する建物内にあり、原子力発電所との距離が近いことから、代替施設が必須と考えられるが、現状では代替施設が整備されていない点が不安要素と思われる。
施設内へのアクセスがあまりにも容易ではないかと感じ、警備体制など見直す必要があると思われる。
施設内の設備は、連絡会議等を行うのには十分だが、いざという時に前線基地として機能するには不十分と感じた。
緊急時対策支援システムERSS、緊急時迅速放射線影響予測ネットワークSPEEDI、が整備され必要な情報を得ることができるとの事だが、設備に加えて人的な資質向上が必要と思われる。
【中国電力島根原子力発電所(松江市)】
施設概要、シミュレータ、3号機、防波壁、緊急用発電機、免震重要棟工事状況視察について
島根原子力発電所は、松江市鹿島町にあり、半径30km圏内に約44万人が生活をしている。
出雲市も市役所庁舎がちょうど30km付近となり西部、南部を除き多くの地域が30km圏内に含まれる。
H19年にも訪れたことがあるが、警備面はかなり強化がされていると感じた。
原子炉はいずれも休止中(3号機は未稼働)であり、見学した施設(主なもの)は以下の通り
- 原子炉運転訓練用シミュレータ
- 3号機内
- 建物の浸水防止対策 水密扉、防水扉等
- 水素爆発防止対策用ブローアウトパネル
- 代替電源施設(40mの高台に設置されたガスタービン発電機/高圧発電車両)
- 消防ポンプ車両
- 海抜15mに強化補強された防波壁
- 免震重要棟建設現場
安全対策は、浸水対策と電源消失への対応、更に地震・津波に耐えられる構造物という観点から行われていた。
1号機、2号機の再稼働、3号機の運用開始に向けた整備(安全対策)がなされ、福島第一原子力発電所の事故を教訓とする対策が、着々と進められている事は十分に確認ができた。
しかしながら、原子力発電所の設備を強化し、施設の安全基準を満たしたからといって、安易に再稼働すべきでないと考えている。
周辺自治体や住民との間で、コンセンサスが得るためには、緊急時の避難対策・交通対策を含め中電と周辺自治体との連携をどう図るかが問われると思われる。
更に通常の防災訓練はもちろん、モニタリングポストを含めた監視体制なども大いに議論を呼ぶ点と思われる。
それらの点を考慮すれば、再稼働のハードルは決して低くないと考えている。