平成26年(2014年)1月27日~28日の2日間、出雲市議会の広報委員会で大津市議会、明石市議会へ赴き議会広報活動についての視察研修を行いました。
- 視察名
- 広報委員会行政視察
- 視察期間
- 平成26年(2014)1月27日(月)~28日(火)
- 参加メンバー
- 大場 利信(委員長)/渡部 勝(副委員長)/岸 道三/湯淺 啓史/寺本 淳一/福島 孝雄/井原 優/伊藤 繁満/長廻 利行
- 視察先及び調査事項
- 滋賀県大津市:議会広報について
兵庫県明石市:議会広報について
研修概要
滋賀県大津市:議会広報について
- 日時
- 平成26年(2014)1月28日(月)
- 場所
- 大津市役所
- 研修内容
-
大津市の「おおつ市議会だより」は、年五回発行、発行時によりページ数(10ページ 14ページ 4ページ)が異なる
広報活動は議会事務局主導で行うとの事。
議会だよりも、議会の議会広報編集委員会との調整を行いながら議会事務局担当者で作成。大津市議会の広報戦略
- ホームページと連動した広報戦略
- BBCびわこ放送と連動した広報戦略
- 市議会だより速報板の配信特集記事の積極的な掲載
- 市民アンケートの実施と結果の公表、紙面への反映
- 市議会だよりのレイアウトなどの工夫
ホームページと連動した広報戦略
- 「おおつ市議会だより」の記事内に、対応する市議会ホームページ内記事への誘導を行うためのマークを配置。
アクセス手順[クリックtoリンク] - 市長の提案説明や意見書・請願等は、ホームページ内に全文をPDFで掲載
- 市議会だよりの特集ページの内容をホームページに更に詳しく掲載
- 「市議会だより」の限られた紙面を補完する意味でホームページを活用
- 動画配信
議会中継・議員研修会・子ども議会など配信中(2日以内に掲載)
BBCびわこ放送と連動した広報戦略
- データ放送を実施
広報おおつとおおつ市議会だよりが読めます dボタン - 新正副議長に聞く
- 各派代表に聞く
- 各常任委員長に聞く
- 新春市議長放談
市議会だより速報板の配信
- 「はやうち市議会だより」をホームページ内に掲載
スピードを重視して2日後に掲載
文字データのみの記事とし、
読み上げソフトに対応 - 「はやうち市議会だより」を掲載したページへリンクを張ったメールを配信
メール配信希望者随時募集
特集記事の積極的な掲載
- 議会の結果だけを掲載するのではなく、議会活性化の取り組みや今後の展望などを掲載
市民アンケートの実施と結果の公表、紙面への反映
- 市議会だよりでアンケートを実施 結果を掲載
- 回答者から抽選でプレゼントを実施して回答者を増やす努力
市議会だよりのレイアウトなどの工夫
- 議会用語や難しい言葉が頻発する場合もあるので、記事内キーワード一覧表を掲載
- 一般質問の掲載は質問者毎ではなく、質問のジャンルごとに掲載
兵庫県明石市:議会広報について
- 日時
- 平成26年(2014)1月28日(月)
- 場所
- 明石市役所
- 研修内容
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明石市では、平成23年12月に「明石市議会に関する市民アンケート調査」を実施されていた。
これは、議会基本条例を策定するにあたり、今後の市議会のあり方を検討する材料として企画・実施されたもの。
調査結果から、各項目とも回答を「わからない」とする比率が高い事、「議会・議員が何をしているのかわからない」という意見が数多く寄せられた事、また、議員定数や議員報酬などについての設問でも関心の低い回答が寄せられた事などから、議会広報のあり方の再検討が始まったとの事。明石市議会の主な広報活動
- 「あかし市議会だより」の発行 年5回発行、新聞折り込み
- 明石市議会ホームページの活用
- ケーブルTVの活用 ほか
「あかし市議会だより」を広報戦略の中心と位置づけ、以下の事項に重点を置く
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まず、見てもらう(手にとってもらう)
「あかし市議会だより」は定例会終了後約2週間後に新聞折り込みしているが、自治会の回覧を利用して事前に予告のチラシを配布
定例会の日程をポスターとして自治会の掲示板や駅などに掲示
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次に読んでもらう(目を通してもらう)
文字の見直し/見出しの検討/レイアウトの見直し/巻頭写真の見直し
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最後に解ってもらう(理解してもらう)
分かりやすい文章/記事の選択/特集記事の掲載
市議会ホームページは、議会だよりの記事をより詳しく掲載する事の他、議会のインターネット録画中継や本会議議事録、委員会議事録などを掲載している
また、ケーブルTVによる議会中継の活用など、市議会だよりを中心にクロス媒体で広報戦略実施している。
市議会の情報は、市民サービスと直結する情報であるという認識のもと、「議会だより」を早く出す(議会後約2週間)ことを使命としている。
市民のニーズは情報を早く受け取ることではないかと考える。という説明が大変印象深かった。
そのため、議会だよりの編集や市議会ホームページの運営は議会事務局主導で行わざるを得ないとの事。一般質問記事では、質問者の氏名は記さない
掲載する質問事項の選定(個人で複数の質問をしている場合など)は、一定のルールに基づき事務局サイドで行うという説明も大いに感じ入る部分であった。
これは、議員個人がどう動いたかを伝えるのではなく、市議会全体として伝えるべき情報は何かという考え方が根底にあるとの事。
また、各会派が、会派広報を活発に作成(政務活動費負担)し新聞折込をしているため、この部分との住み分けを行う意味からも、より個人色の薄まった編集方針であるとの事。
大津市議会の広報戦略は、議会事務局主導で行われ、数人のエキスパート的役割を持つ事務局員さんが対応されていた。
出来るだけ早く情報提供する事を主眼に、「議会だより」の原稿は、議会終了時にほぼできあがっている状況である事に驚いた。
ただ、それだけにスケジュールはタイトでご苦労も多いと聞いた。
紙媒体、Web、メール、TV放送など、多くのメディアを活用し、それを連動させている点が注目に値する。
近年テレビCMなどでよく耳にする「詳しくはウェブで!」を正に実現している点で大いに評価でき、学ぶべき点と考える。
紙媒体の限られたスペースを補完しより詳しく情報提供できると共に、過去記事なども閲覧しやすくなるなどメリットは計り知れない。
ただ、現状では特定のエキスパートに負担がかかっている状態であり、ホームページ活用を出雲市で取組む際は、チームで役割分担しながら行う体制づくりと意識改革、技術取得が必要と考える。