出雲市の平成26年度3月議会に、「出雲市の都市計画道路見直しについての提言書」が提示されました。
これは、都市計画道路の見直しが必要となっていることから、外部委員による『出雲市都市計画道路見直し検討委員会』を平成26年10月に設置し、見直しの検討されたものです。
長年未着手となっている都市計画道路は、都市機能が十分確保されないことだけでなく、建築制限がかけ続けられているため、土地所有者の私権を長期にわたり制限しているという問題を抱えるなどしています。
これらに対し、都市機能上の必要性、経済性、実現可能性を見直しの視点とし、各路線の検証を行われたものです。
以下、提言書より抜粋して掲載します。なお、PDFファイルにて全文をご覧いただけます。
見直し提言後のスケジュール(平成27年度)
- 見直し案の策定
- 地元説明会(地区毎)およびパブリックコメント
- 都市計画審議会
- 議会へ見直し案提出
見直し方針
今回、県管理路線を含む23路線(30区間)、区間延長約24㎞を「存続路線区間」、「計画変更路線区間」、「廃止路線区間」の3区分とし、次のとおり見直し方針としてとりまとめました。
区分 区間数 延長 備考 存続路線区間 9区間 (29%) 6,930m 9区間の内、4区間(3,900m)は連立2期関連区間
(今回は存続とし、再度見直しを行う)計画変更路線区間 10区間 (28%) 6,664m 幹線街路の幅員変更等:5区間(3,879m)
幹線街路から区画街路への変更:5区間(2,785m)廃止路線区間 11区間 (43%) 10,370m 合計 30区間 23,964m 見直しの結果、現計画どおり存続の方針とした路線は、9区間、約6.9㎞となりました。このうち、連続立体交差事業2期区間に直接関連する4区間、3.9㎞については、現在この事業が投資効果や厳しい財政事情等により休止となっており、検討委員会において評価をすることができないことから今回は存続とし、今後、この事業に関する判断が出された時点で再度見直しを行う方針としました。
幅員等の計画変更が必要と判断した路線は10区間、約6.7㎞となりました。このうち5 区間、約2.8 ㎞については、「他路線の整備により幹線機能の必要性が低下している」、「拡幅が非常に困難な状況にあり、また付近に機能代替え路線がある」などの理由により、幹線街路から区画街路に変更する方針としました。
一方、埋蔵文化財などにより実現可能性が低い路線、社会状況の変化などにより決定当時の目的が薄れている路線等、11 区間、約10.4㎞については、都市計画を廃止する方針としました。
見直しの結果、存続となる路線のうち、都市計画マスタープランで主要な位置づけがなされている路線などについては、早期の整備が望まれます。
一方、計画の廃止や区画街路変更に関して、現道の交通安全や沿道のまちづくり、防災面などについて留意が必要とした路線については、引き続き地域住民と関係機関による検討が必要と考えます。
さらに、都市計画道路区域内の建築制限については、関係する地域住民に対して十分な説明責任を果たし、合意形成に向けて努力することが求められます。