このページは、出雲市議会議員 湯淺啓史(ゆあさけいじ)ウェブサイトの過去記事アーカイブです。
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2014年6月議会では2項目について質問しました。

このページは、「出雲市の観光施策と出雲観光協会について」の内容です。
この日の一般質問全文PDFファイルはこちらをご参照ください

質問項目「出雲市の観光施策と出雲観光協会について」

出雲観光ガイド【出雲観光協会公式ホームページ】

出雲観光ガイド【出雲観光協会公式ホームページ】

  1. 出雲観光協会と出雲市との関わりについて
    • ア 出雲観光協会に委託している事業は
    • イ 出雲市は出雲観光協会にどのように関わっているのか
  2. 観光協会の法人化について
    • ア 観光協会の法人化にはどのような形態があるのか
    • イ 出雲観光協会を法人化する必要性は何か
    • ウ 出雲観光協会の法人化はどのように検討され、今後どのような手続きを経て決定されるのか
  3. 出雲市の観光施策の方向性と将来の出雲観光協会
    • ア 「交流人口1千万人キープ」の具体的方策はどのように検討され策定されるのか
    • イ 観光政策について県との協力体制はどのようになされているのか

一昨年の古事記編纂1300年を記念した神話博しまねを始めとする一連の事業、そしてまた、昨年は出雲大社平成の大遷宮があり、予想を上回る流入人口があったということは、皆さんご承知のとおりです。 また、先ごろは大変うれしいニュースも飛び込んでまいりまして、高円宮家と出雲国造家の間でのご婚約が発表され、「出雲市」あるいは「出雲」という言葉が全国区に躍り出て、今や全国区に躍り出たというだけではなくて、ほぼ定着をしたというような感さえあるように思っております。

出雲未来図で掲げられました戦略プロジェクトの一つ、交流人口1千万人プロジェクトは今のところ順調に推移をしていると感じています。
この間、出雲市では観光交流推進課を中心にさまざまな努力を重ねられたともに、何よりも民間の関係事業者の皆さんがPRやおもてなし事業など積極的に取り組まれた結果が現在につながっていると考えています。 ただし、この活況が数年でしぼんでしまうようでは、バブルであるとか、特需であるとかというような言葉で片づけられかねません。現在この好機を捉え、維持発展させていく観光施策の重要性は、その重さを増すばかりでありる。今こそ重要であるというふうに考えます。

出雲市の観光施策は、出雲市はもとより、出雲観光協会、島根県島根観光連盟、縁結び観光協会などが連携して行われると認識しておりますが、その中でも、出雲観光協会の存在は大変大きいウエートを占めるのではなかいかと考えています。

出雲観光協会につきましては、しばしば議会でも取り上げられておりまして、近々では、特に法人化という観点から質問、答弁がなされております。昨年12月の議会におきましては、板倉明弘議員のこの質問に対しまして市長のほうの答弁がございました。「観光全体を統括する機能を有する機能はなく、その役割を観光協会が担えるよう、組織、機能の強化を図る必要がある。」と発言されています。 その上で、「会長、副会長会で、早ければ平成27年度(2015)の法人化に向けて取り組んでいくという話し合いがなされた」と報告もされました。さらに、「市と観光協会の役割を明確にしつつ、観光協会の自主的な運営ができる体制づくりについても検討していきたい」という旨の発言がございました。
さらに、続きまして3月議会におきましては、長廻議員の同様の質問に答えら、市長からは、「現在の出雲観光協会は、法人格を持たない任意団体であることから、対外的な権利義務が不明確で、契約などにおいても信頼性が低く評価される場合がある。新たな事業展開に支障となるなど問題がある」という問題点を指摘された上で、「現在、協会の法人化を目指しており、協会の事務内容や内部諸規則、同種の経団体の状況について情報収集と分析評価を行っているところ、財政基盤強化と役員体制、職員数といった推進体制の見直しを含め、来年度には一定の方向を打ち出していきたい」と答弁をなさっております。 来年度とは、この答弁の中で言われた来年度とはまさにこの平成26年度のことですが、その後どのような動きがあったのでしょうか。
そこで、法人化が検討されております出雲観光協会を中心に、出雲市の観光施策につきまして、三つの観点から質問をさせていただきます。

  • 1点目は、出雲観光協会と出雲市のかかわりにについて
  • 2点目は、観光協会の法人化について
  • 3点目が、出雲市の観光施策の方向性と未来の出雲観光協会

ということで、質問をさせていただきます。

1点目の出雲観光協会と出雲市のかかわりについては、出雲観光協会と出雲市のかかわりについて整理してお答えをいただきたいと思います。
出雲観光協会の法人化という議論をこの場で行いますと、あたかも出雲市が法人化を行う主体のように感じるのですけれども、実際のところ、出雲観光協会は約450社の会員で構成される団体でございます。誤解が生じないよう、現在の市と観光協会のかかわりについてお答えをいただきたく思います。
観光協会のかかわりについて、出雲市が出雲観光協会に委託している事業はどのようなものがあるのか、お答えください。
また、出雲市は出雲観光協会にどのようにかかわっているのか、これは確認の意味ですけども、人的なことを含めてお答えいただければと思います。

2点目につきましては、観光協会の法人化についてでございます。
既に観光協会の内部でも検討委員会が立ち上がっているというふうに聞いております。一口に法人化と申しましてもさまざまな形態があろうかと思います。現在、検討の対象となっているものにはどのような形態があるのか、お答えいただければと思います。 そしてまた、観光協会を法人化する必要性は何かということについて改めてお尋ねしたいと思います。法人化の必要性、目的という点では、市長の発言の「対外的な権利義務が不明確で、契約などにおいても信頼性が低く評価される場合がある。」という発言があったことから、この点ばかりがクローズアップされているような印象を持っております。この点が主たる目的だとは思えません。組織強化や機能強化が主な目的だと思っておりますが、再度具体的に目的をお聞かせ願えればと思います。
そして、先ほどの項目の出雲市と観光協会のかかわりにも含まれるかと思いますが、出雲観光協会の法人化は、今後どのように検討され、どのような手続を経て決定されるのかについてお答えいただきたいと思います。

3点目は、出雲市の観光施策の方向性と将来の出雲観光協会について伺います。
観光協会がどのような形で法人化されるか、また、その後の出雲市とのかかわりをどうするかによって随分様相が異なってくると思いますが、出雲未来図に掲げられました戦略プロジェクトの一つである「交流人口1千万人をキープ」する、具体的な方策はどのように検討され、今後策定されていくのか、お聞かせください。
たびたび引用して申しわけありませんが、市長の発言の中で、「観光協会全体を統括する機能を有する組織はなく、その役割を観光協会が担えるよう、組織、機能の強化を図る必要がある。」という認識を示されている以上、観光協会が重要な役割を果たす必要があると考えますが、この点いかがでございましょうか。
そしてまた、観光施策について、出雲市と県との協力体制はどのようになっているのか、これについてもお聞かせください。一昨年に開催されました古事記編纂1300年を記念する「神話博いずも」は、去年の出雲大社の平成の大遷宮に結びつく大変大きな出来事であったと感じております。
県が市と一体となった取り組みに、関連の民間事業者の方が努力を重ねられる、こういった連携が大きな効果を生んだと感じております。 出雲市だけでなく、出雲部、出雲エリア、さらに県全体で進めるべき事柄も多いと感じますが、県との協力体制はどのようなことになっているのか、お聞きしたいというふうに思います。

吉井産業観光部長

まず1点目でございますが、出雲観光協会と出雲市とのかかわりについての中で、出雲観光協会に委託している事業、そして、市はどのようにかかわっているかということでございます。

まず委託している事業でございますが、本年度、本市から出雲観光協会に委託している主な事業といたしましては、アトネスいずも内、大社神門通り及び日御碕の市内3か所の観光案内所運営事業がございます。 昨年度は出雲大社の本殿遷座祭によって、多くの観光客が訪れたことから、この案内所運営事業に加えまして、特別にJR出雲市駅構内において開設いたしました臨時観光案内所の運営、大社地域をはじめとした観光ガイド事業を委託したところでございます。

観光協会は、観光事業の健全な発達と振興並びに地域の活性化を図ることを目的に、民間の事業者や団体、個人で組織されたものであり、観光振興のためのさまざまな事業を行っているところであります。 観光協会は、行政が対応できない分野の情報発信、機動性を活かした対応など、民間であることの特性を活かした活動を担っていただいていることから、市といたしましては、人件費など運営についての経費のほか、情報発信をはじめとした各種PR経費について支援の行っているところでございます。

次に、観光協会の法人化についてのご質問でございます。
どのような形態があるのか、そして法人化する必要性、どのように検討され、今後どのような手続をへて決定するのかということでございます。
観光協会の法人化につきましては以前から課題でございまして、先ほど議員がおっしゃいましたように、今までも数回答弁もしたところでございます。
本年度は、協会内で専門委員会を設置し、法人化・組織強化に向けて検討することとされております。
観光協会の法人化の形態といたしましては、他の自治体の例を見ますと、公益社団法人、一般社団法人、特定非営利法人といったものがございます。今後、出雲観光協会の事業内容等によりまして、どの形態がよりよいかを判断されるということになるというふうに思っております。
観光協会法人化の目的といたしましては、先ほど議員からご紹介がございましたが、現在の任意団体では、契約などにおいて団体の信頼性が低く評価される場合があり、新たな事業展開に支障となるなどの問題があるため、それを解消することが挙げられます。
また一方で、法人化を進める作業の中で、協会の業務内容、内部諸規則、財務基盤強化と役員・事務局体制などについての見直し、検討をすることによって、観光協会の組織強化につながり、大きな意味があると考えております。
今後の予定といたしましては、先ほど言いました専門委員会のほうで検討がなされ、本年度内に結論を出し、平成27年度(2015)を目途に法人格の取得を目指していく予定であるとされております。

次に、出雲市の観光施策の方向性と将来の出雲観光協会の中で、「交流人口1千万人キープ」の具体的方策はどのように検討され、策定されるのかというお尋ねでございます。
一昨年開催されました神話博しまね、昨年執り行われました出雲大社遷宮遷座祭は、ご承知のとおり大きな誘客と経済波及をもたらし、平成25年(2013)の入込客数は1千万人をはるかに超え、約1,500万人に達するという結果でございました。 今後は、この入込客数をどこまで持続させるかが、観光誘客施策を展開する上で一番のポイントになるものと思います。 そのためにも、観光資源・観光素材の磨き上げや、それらを活用した仕掛けづくりによる観光地としての魅力向上と、それらの情報を全国発信することによって、継続的な観光客入込につなげる取り組みが重要であると認識をしております。
このような取り組みを進める上で、市内の観光・産業関連団体、とりわけ観光協会においては、本市の観光振興の進むべき方向性を共有することが、効果的効率的な施策の展開という視点で極めて重要であるというふうに考えております。そして、今後行政としての市の取り組みを積極的に進めるとともに、観光協会においては、その特性を活かした事業展開を図り、相互に補完し合うことで、全市的な観光振興へとつながるものと考えております。

次に、県との協力体制についてのお尋ねでございました。 県におかれましては、平成25年(2013) までの「神々の国しまねプロジェクト」の中で、県内各地域に対する各種支援が行われてきたところでございます。とりわけ「神話博しまね」、及び出雲大社「平成の大遷宮」本殿遷座祭を契機に、本市の官民における観光振興策に対して、インフラ整備の実施、おもてなし環境整備のためのソフト事業、人的な応援など、多面的に支援が行われてきたところでございます。 本市は、出雲大社周辺を中心に、その観光客入込数の実績から分かりますように、県の観光誘客の中心を担っていると言えます。 そういったことから、本市の観光地としての基盤整備、とりわけ交通渋滞対策観光案内機能の充実など、快適な滞在性と周遊性向上に向けた取り組みについて、引き続き県の協力・支援を得ながら進めていく必要があると考えているところでございます。 以上、答弁といたします。

先ほどご回答をいただきました出雲市と出雲観光協会のかかわりという部分に関しまして、もう少し説明をしていただきたいと思いますが、具体的に出雲市のほうから観光協会にどのような形で人を派遣していらっしゃるのか、派遣といいますか、どのような役職を担っていらっしゃるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

吉井産業観光部長

産業観光部長(吉井貴史君) 人の派遣ということはございませんけれども、観光協会の事務局次長を市の観光交流推進課長が兼務をしていると、担っているとということがございます。 また、副会長といたしまして、産業観光部、私のほうが参加をさせていただいているということでございます。

吉井部長が副会長として入っていらっしゃるということで、会長さん、副会長が主に中心になっていろいろな方向性というのを出されると思っております。という点では、出雲市のほうで法人化というようなことを随分検討なさっている中で、観光協会のほうでも専門部会を立ち上げられてその検討に入られた。先ほど大まかな年度の道筋もほぼ示されたということでございます。
あとは、どのような形が一番出雲市の観光施策にとってよいのかというところを今後詰められるということだというふうに思っておりますが、もう少しちょっとそのかかわりということで将来的なことを聞いてみたいというふうに思いますが、機能強化をしなければならないということは衆目の一致するところだと思いますが、法人化後もある程度重要なポジションを担っていかれるのか、あるいは、法人化された観光協会というのは、もっと独立性を高めて民間の活力を活かしてやる方向でいくのか、そこのところを今現在どのような方向を探っていらっしゃるのかをお聞かせ願いたいと思います。

吉井産業観光部長

まさしくこれから検討されて、中身を決定していくという作業をされるわけでございますが、現在の観光協会は、市町村合併を経まして、お互いそれぞれの自治体にあった観光協会が合併をしてそのまま引き継いでいるということでございまして、任意団体でではありますけれども、理事の数が非常に多かったり、そういった役員会のようなものがなかなか開きにくい、開いておりますけども、なかなか意思決定がしにくかったりというふうなこともございます。
先ほど申しましたように任意団体でございますから、いろんな面で独自の活動にも制約があるということから法人化を目指しているということでございまして、その辺の組織のこともきちっと整理をされて、機能強化を図られるというふうに思っておりまして、今後のかかわり方については、現在まさしくあり方等も含めて検討されるということでございますので、いましばらく検討を待ちたいというふうに思っております。

今後の検討をぜひお願いしたいというか、いい方向で結論を出していただきたいというふうに思いますが、観光協会につきましては、私なりの考えでいきますと、より独立性を強める方向で、民間の活力を本当に発揮する方向で改革がなされるという方向が一番望ましいというふうに考えています。ぜひそういった形で、多くの会員の方の意見を聞きながら進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ほかにも質問項目ございますので、まだまだ足りないかとは思いますけども、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。