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12月議会では2項目について質問しました。

湯淺啓史 一般質問 2013-12-03

湯淺啓史 一般質問 2013-12-03

このページは、「土曜授業への取り組みについて」の内容です。
この日の一般質問全文PDFファイルはこちらをご参照ください

  1. 国が行った「公立小・中・高等学校における土曜授業に関する調査」結果について
    • 調査結果に対する見解を示されたい
    • 本市で同様の調査をされる予定はあるのか
  2. 土曜授業への取り組みについて
    • どのような検討がなされているのか
    • 「土曜日の教育活動推進プラン」に示された事業案(土曜授業推進事業など)は活用できる見込みがあるのか

続きまして、2点目は土曜授業への取り組みについて、この検討状況などをお尋ねします。

近年、各地で土曜授業についての検討を進める自治体が多いように見受けられます。国では文部科学省において3月、土曜授業に関する検討チームが立ちあがり、6月28日に中間まとめ、9月30日に最終まとめが、「土曜日の豊かな教育環境の構築に向けて」という副題で発表されました。
中間まとめの後に「公立小・中・高等学校における土曜授業等に関する調査」や「全国学力学習状況調査における児童生徒の土曜日の過ごし方調査」などが実施されています。これらは最終まとめにその結果が報告もされています。

そこで、国が行った「公立小・中・高等学校における土曜授業に関する調査」の結果について、調査結果に対する見解を示していただきたいと思います。
また、出雲市で同様の調査をされる予定はあるのかということをお聞きしたいと思います。

ここで「同様の」といいますのは、全く同じ質問でということではなく、土曜授業についての賛否や課題なども含めまして、職員の皆さんや保護者の方、そして地域の方の意識調査をするという意味で捉えていただいて結構でございます。

また、文部科学省では中間まとめを踏まえ、平成26年度(2014)概算要求におきまして、「子どもたちの土曜日を全体として豊かで有意義なものとする観点から、質の高い土曜授業の実施のための支援策や1次社会、産業界と連携した学習体験プログラム等の実施のための支援策を土曜日の教育活動推進プランにおいて盛り込む」と発表をしています。

そこで、出雲市では、土曜授業への取り組みについて、どのような検討が今なされているのか、お答えいただきたいと思います。
また、土曜日の教育活動推進プランに示された事業案、例えば「土曜授業推進事業」などは活用できる見込みはあるのか
、お聞かせを願いいたします。
よろしくお願いいたします。

教 育 長(槇野信幸君)
ただいまの湯淺議員さんの土曜授業への取り組みについてというご質問にお答えをしたいと思います。
最初に、国が行った調査結果に対する見解ということ、それから、本市で同様の調査をする予定はあるのかというご質問にお答えをしたいと思います。

文部科学省が実施した土曜授業等に関する調査では、昨年度、平成24年度(2012)において土曜授業を実施した学校数は、公立小学校1,801校、公立中学校966校でありまして、回答した国公立小中学校全体の9.1%でございました。
さらに、土曜授業を実施した学校の約半数は学期に1回程度の実施にとどまっている状況でありまして、その内容としては、保護者や地域住民への公開授業の実施や運動会、体育祭等の学校行事など、開かれた学校づくりや授業時数の確保を狙いとしたものが多い実態となっております。

また、今後土曜授業を実施する必要性を認めている市町村教育委員会は全体の約11%ありますが、一方で、地域の教育活動等との調整や教職員の勤務体制の調整、部活動との調整、保護者への説明、教員の負担などが実施上の課題として挙げられております。

以上の調査結果から、学校週5日制が定着している中において、土曜授業の実施にあたっては、多くの課題があり、それは本市においても同様であると認識しているところでございます。

また、県内におきましては、現在、土曜授業を実施している市町村はございません。本市においても、土曜授業の実施について検討を始めた段階であります。今後の国や県の動向を注視しながら、慎重に検討を進めていかなければならないと考えているところでございます。

こうしたことから、現段階では土曜授業に関する出雲市独自の調査を実施する考えはございません。今後の議論、検討を踏まえ、必要に応じて実施していきたいと考えております。

2点目のご質問でございますが、土曜授業への取り組みの中で、今どのような検討がなされているのか、そして、国が平成26年度(2014)の予算で概算要求をしている土曜日の教育活動推進プラン、こういったものの活用ができる見込みがあるのかというご質問でございますが、本市では、先ほどご紹介のありました文部科学省検討チームの中間まとめ、6月28日に出されておりますけれど、これが出された時点から土曜授業の検討の必要性を認識しておりまして、この10月に市内全校長にアンケート調査を実施いたしました。また、先月、11月でございますが、市内を6ブロックに分けまして、校長会との懇談会を開催いたしました。その中で土曜授業の実施上の課題とその改善策、期待できる効果などについて意見交換を行ったところでございます。

この懇談会の中では、土曜授業に対する慎重な意見が大勢を占めました。具体的には、現在行っている学校週5日制については、何年もかけて地域の受け皿づくりや調整を行って、移行期間も設けて、長い時間をかけて平成14年度(2002)にようやく実現したものであること、現在の学校週5日制が導入されて12年目になり、学校、家庭、地域に定着しているものを大きく方向転換していく、その狙いや目的をどう捉えればいいのかといった意見が多かったところでございます。

しかし、一方では、国の動きといたしまして、英語や道徳を教科とする、そういう方向性などが示されております。そういう流れに円滑に対応できるように準備を進めておくことも必要であるというふうに考えております。ですが、先ほど申しあげましたような現場の校長先生方のご意見、そういったもの、それから、それ以外の部分での検討を当然地域あるいは保護者、そういった方々との調整ということを考えますと、現段階では国が示している土曜日の教育活動推進プランにある事業を活用する状況には至っていないというふうに判断をしているところでございます。
以上、答弁といたします。

それでは、幾つかの再質問をさせていただきたいと思います。

出雲市では、小中学校で「ウイークエンドスクール」の実施をされていらっしゃいます。これはどのようなものか、また、文部科学省の言う土曜授業への取り組みと、この「ウイークエンドスクール」がどう異なってくるのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。

教 育 長(槇野信幸君) 
まず、「ウイークリエンドスクール」についてでございますが、「ウイークエンドスクール」につきましては、土曜日の午前あるいは午後に市内11会場におきまして、希望する小中学生、といいましてしも、小学生は5年生以上でございますが、「ウイークエンドスクール」という形で行っております。会場としては中学校ですとか、科学館ですとか、支所を使っているところやコミセン使っているところ、いろいろございますが、そこで教員のOBの方を塾長、副塾長として、かつ大学生を指導員という形で、ほとんどボランティアという状態ですが、そういう方々に指導をいただいて、子どもたちは自分のしたい学習をそこで午前、午後分かれておりますけれど、2時間半ずつ学習すると。それはあくまでも主体的な学習を支援すると。自主的な学習の習慣をつけるという目的で行っているのが「ウイークエンドスクール」でございます。

文科省が言っている、その今の新しい構想の中にある事業と、この「ウイークエンドスクール」との関連でございますけど、今のところはちょっと概算要求の段階ということもありまして、国の事業の内容がまだはっきり分からないということで、直接的な関連については、ちょっと今図りかねているところでございます。

それで、今のそういった土曜日の教育活動全般を支えるという趣旨のものと、もう一方では、学校で行う土曜日の授業を支えていくという、その二通りの趣旨で新しい事業がどうも組み立てられているというふうに思っておりますけれど、土曜日の教育活動全体を支えるということと、学校で土曜日に授業を行うということとは相反する部分もありまして、この辺のところがこれから調整していくべき課題かなというふうに考えております。

先ほどの「ウイークエンドスクール」に関連いたしまして、文科省が示しているこの「土曜日の教育活動推進プラン」、まだ未確定ではございますけれども、そこの中の想定される土曜授業の例といたしまして、

  • 総合的な学習の時間
  • 英語教育や道徳教育
  • 特別活動
  • 科学実験教室
  • 補充学習
  • 発展的学習

などが挙げられております。ここを「ウイークエンドスクール」とどのように絡めていくのかというところは見解がちょっと分かれるところという気がしますけれども、学校全体として取り組むのが土曜授業、あるいは部分的に希望者だけでやるのが「ウイークエンドスクール」、そういった分け方ができるのかも分かりません。

土曜授業に関しまして、ぜひ今後も調査研究というところを進めていただきたいと思います。

もう一つ質問をさせていただきますのは、土曜授業に関しましては、各地の自治体、それから民間でもアンケート調査が行われているようです。その結果を見ますと、概ね保護者のほうは肯定的な意見が多いように見受けられます。また、職員の方々のほうからは、若干肯定的な意見が少ないと見てとれる結果が多いと思います。
その消極的という回答をなされている場合、その理由として「負担感」を挙げられている、あるいは先生方の調整を挙げられているケースが見受けられます。
確かに完全週5日制になってから10年の月日がたつわけで、それをまた土曜日授業という、毎週ではないにしろ、戻すというのは大変なことだと思いますが、この点につきましては、市として調査研究をされているか、改めてこの部分、もう一度お答えをいただきたいと思います。

教 育 長(槇野信幸君)
市としては、そういう調査という形では行っておりません。
先ほど申しあげましたように、学校長に対してはアンケートをしたというところでございますが、保護者あるいは現場の教員の皆さんにそういうアンケートはまだしてないという状況でございます。

今、ご指摘いただきましたように、普通行われている調査結果を見ますと、保護者で賛成の方が大体7割ぐらいとか、教員のほうは、一方でそれは逆に結果になって数字が出ていると。横浜市とか大阪市の結果を見ると、やはりそういう数字が出ていまして、若干その意識に違いがあるのかなという気もいたします。

学校現場の声をよく聞きながら、いろんな課題を拾っていきたいと思いますし、一方で既に土曜日にいろんな活動を行っていただいている地域の方々、団体、そういった方々の意見も聞いていかなければいけませんし、そして保護者の方の意見ももちろん聞いていかなければいけないということで、必要な時期が来れば、そういったことをそれぞれの立場の方に行っていく必要があると思っていますが、今のところはまだいろんな課題を抽出しながら、こちらとしての考え方の整理、あるいは国のそういった動き、そういったものを今調べている段階というふうに受けとめているところでございます。

私は、土曜授業については「負担感」ということも確かにあろうかと思いますが、逆に「平日5日間の負担感の軽減」になると考えております。それは、子どもたちだけではなくて、学校にとっても、職員の皆さんにとっても共通で言えることだと感じております。
先ほどのお答えの中に保護者のほうは約70%程度が賛成をしていると、そのような結果が他地域では出ているというようなこともあります。

ぜひとも土曜授業の今後のことにつきまして、さらなる研究をしていただき、できるだけ早い時期に調査をしていただき、土曜授業が出雲市でも何らかの形でできるような方向へ向けて検討をしていただける、それを希望いたしまして、質問を終わらせていただきます。