出雲市議会 政雲クラブでは、去る平成27年(2015)2月4日、会派研修会を開催しました。会派では逐次意見交換会は行っていますが、今回、医療法人医純会 すぎうら医院 の医師 中山真美先生に講師をお願いし、地域包括ケアシステムの研修会を行いました。
すぎうら医院では、訪問診療に力を入れておられ、在宅診療部を設置されています。中山先生は、在宅診療部の一員として訪問医療に携わっていらっしゃるほか、医院の中で地域包括ケアシステム推進担当として県が推進するまめネットの推進にも関わっていらっしゃいます。これらの状況を現場の様子などを交えながらお話しいただくことで、地域包括ケアシステムの進むべき方向を確認できればと、研修会の講師を依頼したところです。
「地域包括ケアシステム」とは
高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)を構築すること。
※各自治体が、2025年(平成37年)を目途に整備するよう、厚生労働省が推進している
- 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らし い暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。
- 今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要です。
- 人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差が生じています。
- 地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。
講演の要旨
講演では、訪問医療の実際について、また、まめネットの状況について、具体例をたくさん紹介していただきました。
地域を巻き込んだ活動が必要であり、地域包括ケアシステムシステムの構築は急ぐべき課題であることを改めて確認しました。
- 日本人の平均寿命は、男性80.21歳、女性86.61歳(2013年)
- 健康寿命は、男性が71.19歳、女性が74.21歳(2013年)
健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる状態を指す
約10年間は、日常生活に支障がでる状態で暮らしていらっしゃることになる - 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、お年寄りができるだけ健康で暮らしていただき、平均寿命と健康寿命の差を小さくして行かなければ、医療や介護の需要をまかないきれない状態となってしまう
- 必要な施策
- 医療機関の機能分化と医療供給量の拡大
- 居住環境の整備
- 特定施設
- グループホーム
- サービス付き高齢者住宅etc
- 地域包括支援センターの整備
- 介護予防と生活支援
- 中学校エリアやコミュニティセンターエリアを単位として、官民が一体となって取り組むべき課題
- リスクの高い住人を早期発見する方策
- エリアをコーディネートする人材の育成
- 自治会加入率を上げる努力
- 家族内での意識の向上、事前の準備