2013年10月の総務常任委員会視察報告でも触れたように、新潟県上越市では、 平成20年に「公の施設の統廃合計画」がスタートし、平成23年からは、「公の施設の再配置計画」「公の施設等除却計画」が実施されている。
上越市では、これらの計画を進めるあたって評価項目・評価基準を定め各施設に対して配点を行うことによって検討材料の一つとしたとの事だ。
出雲市でも、800余りの公共施設のうち、203の公共施設が見直しの検討対象となっており、基本的には方針としては次のような項目が挙げられている。
基本的な方針
- 特定の利用者(受益者)のみが利用する施設については、基本的に利用者(受益者)に移譲を検討
- 民間で同種の施設が運営されているものについては、基本的に民間移譲又は廃止を検討
- 同一施設群の中で利用者が少ない施設については、地域性を考慮しつつ存続意義を検討
- 同種の施設で利用料金体系が異なる施設については、料金体系の統一を検討
- 耐震補強等大規模改修費が5年以内に補助金を除く一般財源ベースで概ね1億円以上見込まれる施設については、地域性及び施設の特性を考慮しつつ存続意義を検討
- 見直し対象となった施設の移譲等は、斐川町分を含む普通交付税の合併算定替が終了する平成34 年度までに実施することを目標とする。
更に、施設の種類別や地域別などのグルーピングが行なわれ、また、耐震基準や維持費用などをまとめた基礎資料ができあがっている。
これらの基礎資料を基に執行部では検討が加えられており、議会の行財政改革特別委員会でも現地視察などを行い検討を加えている。
ただ、それぞれの議員がそれぞれの立場や感覚で個々の施設について意見を述べあってもなかなか全体的な検討とはならないのも実感した。
数値化することにより、「まずは同じ物差しで全体を眺めてみることが可能になる」という意味で大変意義のある事だと考えている。
そこで、先日(2013/10/16)開催された行財政特別委員会で、評価基準の作成と配点による数値化を早急に行うよう執行部に要請を行った。
その後、数値化のシミュレーションが必要ではないかと痛感し、現在、私個人の参考用にするため数値化の作業を行っている。
以下は、先日視察に赴いた新潟県上越市でいただいた資料から「公の施設等 評価基準及び配点基本パターン」と「公の施設等除却基準」を転載したもの。そのまま出雲市に当てはまるものではないが、大変参考となる資料と感じている。
公の施設等 評価基準及び配点基本パターン 例
新潟県上越市「上越市の施設の再配置計画」(H23.10)より
公の施設等除却基準 例
新潟県上越市「上越市の施設等除却計画」(H23.10)より
評価項目 | 配点 | 具体的な内容 | ||
---|---|---|---|---|
市民の安全 | 危険度 | 50 | 耐震性無し、又は昭和56年5月31日以前の旧耐震基準で建築確認が行われた施設(時期不明の場合、昭和56年12月31日以前に竣工した施設) 但し、建物以外は放置した場合、倒壊の恐れがあると現地で確認した施設 |
50点 |
避難所 | 20 | 地域防災計画に基づく避難所指定無し、又は指定取り消し予定がある施設 | 20点 | |
防犯上の懸念 | 10 | 過去1年間に不審者情報が寄せられ、実際にその事実を確認した施設 | 10点 | |
市民への影響 | 20 | 市民の利用が週1回未満の施設 | 20点 | |
市民の利用が週1回以上の施設 | 10点 | |||
維持費等 | 10 | 年間の維持費が12万円以上の施設(月1万円以上) | 10点 | |
年間の維持費が12万円未満の施設(月1万円未満) | 5点 |
※加減点項目等…加減点項目及び配点を次のとおりとします。
加点 | 施設除却後、市の利用計画がある場合 | +10 |
土地(更地)購入希望がある場合 ※借地の返還請求がある場合を含みます。 |
+15 | |
減点 | 工作中(建物ではない)場合 | -10 |
貸付中(建物)の場合 | -15 |
H20からH22年度3か年平均の利用者数
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